奥田氏4千票上積みし大勝 2017城陽市長選挙

2017.09.12
 自民・公明・民進がかつぐ現職奥田敏晴氏(72)対共産推薦の市民活動家岡本やすよ氏(67)の一騎打ち戦となった第12回「城陽市長選挙」は、10日投開票が行われ、奥田氏が1万7186票を獲得、6789票の岡本氏を大差で破り、2選を果たした。明るく、温厚な人柄と「新名神を起爆剤に、大型開発と企業誘致で人口、税収を増やし、明るい未来を築く」との訴えが有権者の信任を得たものだが、一方で投票率が4割を切る事態は、市政に不安、不信を抱く、さらには無関心な市民も少なからず居ることを示している。7年後の新名神全線開通をあてこんだ開発ビジネスの波が、基礎体力のない城陽市に押し寄せる中、今後4年間の舵取りは、市の存立を左右しかねないだけに、おごることなく慎重かつ市民にますます開かれた市政運営が求められる。

 岡本陣営は、巨額な借金を抱える中で、さらに借金を重ねて大型事業につぎ込むより、市民の福祉、教育、生活道路の整備に力をそそぐべきだと訴えた。とりわけ、城陽市が今年6月一部議員に伝えた、文化パルク城陽の「セールアンドリースバック」方式をとらえ、「文パル売却反対」キャンペーンを展開、奥田陣営が選挙戦の終盤に急きょ、反撃せざるを得ないほどの反響を巻き起こした。

 一方の奥田陣営は、新市街地の整備や山砂利採取地の「長池先行整備地区」(27㌶)へのアウトレットモール誘致、スマートインターチェンジ建設、JR奈良線複線化など「変わりゆく城陽市」をアピール、「未来のための投資」への理解を求めた。岡田陣営の文パル売却反対を掲げた一点突破戦略に戸惑い、終盤戦には、選挙対策本部内に特別チームを設け、反撃する異例の展開も。

 選挙結果から見えてくるものは、塾経営時代の教え子や血縁関係など分厚い個人票に支えられ選挙に強い奥田氏と、大量宣伝で訴えが浸透したものの、“共産党の壁”を突破して大飛躍するほどのパワーを発揮できなかった岡本陣営の姿だ。前回、2013年9月の市長選挙との比較が物語る。

 前回は、4期目をめざした現職の橋本昭男氏に対し、自民・公明・民進と京都府の支援を受けた奥田氏、日本維新の会推薦の大西吉文氏(現市議)、共産党推進の岡本氏の4人が立った。投票率は46・45%で投票者総数は3万129人だった。結果は、奥田氏1万3200票、橋本氏6596票、大西氏5055票、岡本氏5014票の得票に。

 今回の選挙では、投票率が37・52%と前回より8・93ポイントのマイナスとなり、当日有権者数6万4848人に対し投票者数は2万4332人。前回と有権者数はほぼ同数で、投票者数は約6千人少なかったことに。奥田氏は前回から約4千票(プラス30%)、岡本氏は同じく約2千票(プラス35%)得票を増やした。

 奥田氏と岡本氏の上積みされた計6千票と投票に行かなかった6千票を合わせると、前回の橋本氏票と大西氏票の合計1万2千票につながる。2極戦で、しかも勝敗に対する関心が低かったことが低投票率につながったのは事実。しかし、それにしても市長選挙史上最低だった前回より、さらに9ポイントも一気に下がった背景には何があるのか、「市民に開かれた市政」を標ぼうする奥田市政にとっては見過ごせない課題だ。

 大勝したとはいえ奥田氏の得票は、全有権者の26・5%にしかすぎない。2期目4年間は、信頼の証であるこの数値を1ポイントでも2ポイントでもアップする市政運営が求められる。

【写真=万歳三唱で喜び合う奥田氏(中央)ら】