第66回宇治茶まつり 古式ゆかしくお茶の祭典

2017.10.03
 茶どころ宇治の秋のイベントで親しまれる第66回宇治茶まつり=宇治茶祭奉賛会(会長=杉本貞雄・府茶業会議所会頭)主催=が1日に宇治橋周辺の宇治川河畔で開かれ、茶道・茶業の関係者や市民、観光客など約1万人がお茶の祭典を満喫した。製茶記念日と同日開催となり、宇治市内では宇治、東宇治、小倉の3会場で先人への報恩感謝の気持を込めた式典も開かれた。

 宇治茶まつりは「茶の三恩人」の栄西禅師、明恵上人、千利休の遺徳をたたえ、その供養と共に宇治の茶業の発展を祈願しようと1933年(昭和8年)から始まった。

 日中戦争からアジア太平洋戦争へと戦火が拡大する中で中断。戦後、宇治の市制施行の年(1951年)から改めて第1回宇治茶まつりとして再出発した。この間、途切れずに続き、秋の観光宇治の風物詩として親しまれている。

 まつりは豊臣秀吉の故事にちなんだ宇治橋三の間での名水汲(く)み上げの儀式で開幕し、宇治神社の花房義久宮司の神事で東宇治茶業青年団の柴田信哉さん(44)、中村省吾さん(37)が狩衣に烏帽子姿で釣瓶をたらして「名水」をくみ上げた。

 竹筒に入れた名水は、辻俊宏さん(55)の先導で茶業青年団や観光ボランティアガイドクラブのメンバーによる名水行列で上流約1㌔の興聖寺へ。

 本堂での式典では小倉茶業青年団の小山裕人さん(36)が、吉田昌弘さん(34)の介添えで茶壷の口切りの儀式を行い、瑞々しい茶葉を石臼でひき、てん茶に仕上げ、表千家の堀内宗完さん(74)が茶祖に献茶した。

 栄西禅師が開基した京都・建仁寺の僧侶による読経の下、茶まつり実行委員会の通円亮太郎委員長が茶業振興に向けた決意を述べた。

 茶道関係者が精進を祈る興聖寺門前での茶筅(せん)塚供養の後、興聖寺と歴史を刻む館として今年1月に保存改修した府茶業会館(宇治又振)で表千家が茶席(本席、副席)を開設した。

 このほか、世界遺産の宇治上神社拝殿(国宝)でも宇治市茶道連盟(森宗樹会長)が協賛茶席を開設したほか、府立宇治公園でお茶のみコンクールや抽選会が開かれた。

【写真=宇治橋「三の間」での名水くみ上げ】