宇治の空き家 略式代執行で解体へ 府南部で初 所有者不明のまま

2017.10.14
 宇治市は13日、同市小倉町にある老朽化した空き家の解体作業を始めた。「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく略式代執行で、府内で2例目。宇治市はもとより、府南部では初めての事例だ。

 空き家は、小倉町南浦21―210にある、木造平屋建ての民家。床面積は不明だが、土地の面積は60平方㍍。市は、平成24年度に町内会から「危ない、何とかしてほしい」などと相談を受け、登記簿や戸籍などを調査し所有者を探してきた。その最中も、屋根に空いた陥没穴が広がり、壁の膨張も増してきたため、2年前に建物の周りをロープで固定する緊急措置を実施した。

 今年9月20日には、所有者に対し建物の除去を求める公告を実施。今月3日までの期限内に必要な措置がなされなかったため、特措法に基づき略式代執行を行うことになった。13日時点でも、建物の所有者は不明のままだ。

 この日は朝から冷たい雨が降り注いだが、空き家のそばには市職員11人が集まった。午前10時、空家を前に市の後藤庸太総務課長が「著しく損傷が激しい。隣接家屋に支障を及ぼす恐れがある」などとする代執行宣言文を読み上げた。その後、解体業者の作業員5人が建物の周りに足場を組み始めた。

 今回の略式代執行は建物の解体が対象で、基礎の部分には手を加えない。市は、今月24日までに作業を終えたいとしている。作業の安全性を最優先に、どこまで解体するか判断するという。また、解体にかかる約73万円の費用は、所有者が判明した場合は請求する。

 空き家のある一帯は、昭和40年代半ばに宅地開発された。今回の空き家について市は、その頃に建設されたのではと推測している。
【写真=空き家の前で宣言文を読む後藤総務課長】