最長の石出しを確認 宇治川太閤堤跡 後世に作られた?石列も発見

2018.01.24
 宇治市は23日、国指定史跡「宇治川太閤堤跡」(宇治市菟道丸山、宇治乙方)の発掘調査で、4ヵ所ある「石出し」のうち最上流にあるものについて調査結果を発表した。これまで発掘してきた3つに比べ最長だったことや、初めて確認された石列など、宇治川の歴史を紐解く一部が示された。

 太閤堤は天下統一を果たした豊臣秀吉が1954年、宇治橋付近から伏見城に向かう街道や水運の充実を図ろうと、徳川家康や前田利家ら名だたる戦国大名に命じて宇治川の堤防を付け替えた際に築造した総延長12㌔の護岸施設。

 07年に堤の一部が宇治橋下流(右岸)で出土し、保存状態の良さから当時の治水技術の高さを知る遺跡として注目を集めた。

 09年には、京阪宇治駅から下流の菟道稚郎子墓にかけた約2㌶余りが「宇治川太閤堤跡」として国の史跡指定を受けた。

 今回の調査は、09年の発掘で位置を確認していた4ヵ所目の「石出し」の詳細な記録を作成するため実施した。

 「石出し」は、下半分の土台になる捨て石と上半分の石を石垣状に積んだ構造。今回調べた最上流の石出しは、最も下流にあるものが8・5㍍なのに対し、13㍍と最長で、宇治川に出っ張った構造になっていた。これは、宇治川の流れを制御するために必要だったのではと推測される。

 また、石出しを中心に上流・下流側どちらにも石列を確認。太閤堤に用いられている粘板岩だけでなく、川原石という別の石も見られるため、「太閤堤築造時ではなくかなり後世に作られた可能性が高い」と市担当者は指摘する。

 発掘した石出しは埋め戻し、平らにした上に再現する予定。昨年6月の市議会で議決された歴史公園で、当時の様子を体感してもらう「史跡ゾーン」として整備する。

■27日に現地説明会
 市は今週27日(土)午後1時~3時まで、現地説明会を実施する。少雨決行で、荒天の場合は翌週に延期。参加希望者は、直接、京阪宇治駅から北西に徒歩3分の発掘調査現場へ。

 限られたスペースしかないため、公共交通機関の利用を呼び掛けている。問い合わせは、市都市整備部歴史まちづくり推進課文化財保護係(℡0774・21・1602)まで。

【写真は発掘調査を行った下流側の石出しと石列】