京大宇治キャンパスで中学校の理科部が合同実験 中大連携 DNAを見る実験に挑戦

2018.01.31
 科学的な好奇心、科学の最前線で養って――宇治市内の中学校の理科(科学)部の生徒たちが30日、京都大学宇治キャンパス(同市五ヶ庄)を訪れ、「食べ物からDNAを取り出す」をテーマにした実験を体験した。最先端の研究に触れることを通して科学への興味を高め、科学技術に夢と希望を持つ人材を育てようと市教育委員会が京大の協力で企画したもの。東宇治、木幡、黄檗、廣野の4校から17人の2年生が参加し、留学生や大学院生のサポートで「予測、検証、考察」のプロセスを中学生目線で確かめた。

 宇治市と京大宇治キャンパスは2014年に連携協力に関する協定を締結。防災分野にとどまっていた連携を教育や研究、広報などにも広げている。

 連携協力を踏まえ、市内の小・中学校ではスクール・サイエンス・サポート事業として宇治学(郷土学習)をテーマにした体験学習で宇治キャンパスを訪問。夏休み中にキャンパスを訪れた小学生の理科教室や研究者を学校に迎えた出張授業、宇治川オープンラボラトリー(京都市伏見区横大路)でのビオトープ学習や災害時の自然現象を「流水階段・浸水ドア開閉」の実験による疑似体験など、地の利を活かした教育の連携活動を進めている。

 エネルギー理工学研究所で放課後に開いた理科教室では、中田栄司准教授(生物分子科学)の指導でりんご、いちご、バナナ、キウイの4つの果物からDNAを取り出し、見えるようにする実験にチャレンジ。1人の人間に60兆個あるといわれる細胞の核の中にある極小のDNAを見えるようにするという奇想天外な実験テーマに、手袋に保護メガネをかけて参加した生徒たちは真剣な表情で実験手順に聞き入った。

 洗剤や塩水、エタノール溶液を使った実験では「なぜ洗剤・塩水を使うのか」「加熱する理由」「実験の意図は何か」などを生徒に考えさせるやり方で進行。DNAが溶けない冷やしたエタノールを加えて首尾よく2層に分離し、試験管にDNAの層が現れた事を確認した生徒から笑みがこぼれた。

 実験に参加した小林愛詩(まこと)さん=黄檗中2年=は「学校ではできない実験ができた。思っていた以上に楽しい」とにっこり。

 生徒を引率した市教委一貫教育課のスタッフは「遠心分離機や加熱装置など大学ならではの実験器具をはじめ、テーブルごとに配置してもらったチームアシスタントの研究者など普段の学校では経験できない恵まれた科学実験の体験ができた」と手ごたえをつかんでいた。

【写真は果物のDNAを取り出す実験に挑む中学生たち(京大宇治キャンパス)】